はじめに
株式会社GROWTH VERSEにてプロダクトマネージャーを務めている陶山大輝です。
この記事では、プロダクト開発における言語化及び構造化の重要性並びにChatGPTにより言語化能力を向上させるための方法について紹介します。
言語化と構造化
まず、言語化及び構造化について説明します。
言語化とは
言語化には、理解と表現の2段階があります。理解の際には情報をエンコードして中間表現を生成し、表現の際には中間表現を言語情報としてデコードします。
graph LR Understand[理解(エンコード)] --> 中間表現 --> Express[表現(デコード)]
例えば、プロダクト開発においては、顧客要望を顧客課題として整理し、具体的な機能仕様とします。つまり、プロダクトマネージャーは、顧客要望を適切に理解し、それを開発チームへと表現する必要があります。
graph LR 顧客要望の理解 --> 顧客課題 --> 機能仕様としての表現
構造化とは
構造化とは、情報を適切に捨象しながら論理的な階層構造として整理することです。言語化においては、中間表現を構造化された情報として整理することで、理解と表現の精度を上げることができます。
graph LR Understand[理解(エンコード)] --> info[中間表現(構造化)] --> Express[表現(デコード)]
例えば、ドメイン駆動設計のドメインモデリングでは、システムで扱う実世界の概念をドメインモデルとしてモデル化します。ドメインモデルが構造化された中間表現として機能することで、プロダクトとシステムのいずれものコンテキストとして利用することができます。
graph LR プロダクト --> ドメインモデル --> システム
言語化が必要な理由
言語化が必要な理由としては、二つあると考えます。一つ目はプロダクト開発において発生する不確実性を下げて安定的な成長を実現したいから、二つ目はプロダクト開発において再現性を上げて成長を加速させたいからです。
不確実性を下げる
不確実性を下げる言語化の例としては、進捗管理が挙げられます。プロダクト開発で発生する各プロジェクトの進捗を管理することで、適応的に再計画することを可能とします。これにより、早期に問題を検出したりリソースの再配分をしたりといったことを迅速に行うことができます。
弊社のプロダクト開発の進捗管理の場合、2024/03頃は開発中の機能の一覧や機能単位の開発進捗の情報が集約されておらず、開発完了予測が明確でないまま開発が進行していました。そこから、機能の一覧をNotionの一つのDBに集約し、各機能の開発ステータスを週次で更新できる状態へと運用フローを整理しました。その結果、各機能の開発完了を常に予測しながら開発を進めることが可能になりました。
再現性を上げる
再現性を上げる構造化の例としては、テンプレートの作成が挙げられます。プロダクト開発をサイクルとして繰り返す際、同一のフォーマットのドキュメントを作らなければならない場面が発生します。この時、テンプレートを作成しておくことで、再現性を持った資料を作成することが可能となります。
弊社のプロダクト開発チームの定例資料のテンプレートの場合、2024/03頃は各人のタスクが大まかに書いてあるのみで、定例資料において何が定義されているべきか明確でない状態でした。その状態から、各機能の週次の目標と現在の各人の進捗状況を中心とした構成を明確にしました。その結果、定例の資料の準備の工数が減り、進捗管理もしやすくなり、開発における課題も拾いやすくなりました。
ChatGPTによる言語化能力向上
言語化能力を高めるツールとして、ChatGPTを紹介します。ChatGPTを使うと、以下の3つの理由から効率良く言語化能力を高められます。
多様な表現の提案
ChatGPTは、同じ中間表現からコンテキストに合わせた様々な表現を提案できます。
例えば、ビジネスメールを書くことが苦手な場合、「ビジネスメールにおいて適切な表現に直して」といった指示をすることで、適切な表現を生成することができます。具体的には、「会議のスケジュールを調整したい」という簡潔な表現を、「お忙しいところ恐縮ですが、会議のスケジュール調整についてご相談させていただけますでしょうか」といった丁寧な表現に変更できます。
構造化の補助
ChatGPTは、中間表現の構造化を補助できます。具体的な情報から構造化を施した中間表現を生成することも、その中間表現から具体的な表現を生成することもできます。
例えば、ブログ記事を書く場合、情報を整理しやすい構造にする目的で役に立ちます。具体的には、「AI技術の応用についての記事を書く」といった抽象的な指示に対して、「導入部分→AI技術の現状→具体的な応用例→未来の展望→結論」といった詳細な構成案を提供できます。
言語化の回数の増加
ChatGPTは、言語化の回数を増加させられます。対話型でかつ人間と比べて高速にレスポンスを返すため、言語化の回数がその分増加します。
例えば、議論の前にChatGPTを利用して言語化を繰り返し、予め仮説を構築することで、議論の効率を向上させられます。例えば、「次回の会議で議論すべき課題についての仮説を3つ挙げてください」と指示することで、議論のポイントを事前に整理することができます。
最後に
この記事では、プロダクト開発における言語化及び構造化の重要性並びにChatGPTにより言語化能力を向上させるための方法について紹介しました。
また、弊社のAIMSTARでは、顧客データを保持するCDPを保有しており、このCDPに各プロダクトを通じて得た情報を取り込んでいます。プロダクト開発において適切な言語化がなされるほど、質の高い情報をCDPに取り込むことができるという構造になっています。そして、AIにおいて利活用する情報であることを踏まえると、この質の高い情報は大きな競合優位性を持ちます。
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